1.家電品の宿命
ユーザの生活を豊かなものにする家電製品ですが、その性格ゆえの宿命があります。
1−1 どのような使い方をされるか分からない
平成7年7月1日から施行されましたPL法(*)の施行もあって、最近の家電製品とその
取り扱い説明書にはしつこいくらいに警告表示(三角形の内側にビックリマークが書いてあり、
その横に「危険」、「警告」等と書いてあるアレです)がなされています、ご覧になった事の
ある方も多いのではないでしょうか。
この表示によってメーカは「大事な事を伝えています、よく読んで使って下さいね!」と
言っているわけですが、実態はどうでしょう?家電製品を使用するに当たり、取り扱い説明書や
本体の警告表示を隅から隅まで目を通し、さらにそれを理解して実行できる人は少数派だと思います。
というのも家電製品の使用に当っては、(当たり前ですが)免許や許可が必要となる訳ではなく、
年齢・性別・国籍も不問という本当に不特定多数の方が使用するものだからです。
つまりメーカ側としては、製品が誰の手に渡り、どのような使い方をするか把握できないのです。
例を挙げると、洗濯機を使って油で汚れた衣類を洗濯する際、水の代わりに揮発性の油を入れて
洗濯してみたり、小動物を洗って乾かすのに電子レンジを使ってみたり・・・結果は想像に難くないと
思いますので書きませんが、この様にメーカ側では予想もしないような使い方をする人がいます。
このため、メーカは家電品の開発にあたって、今までの経験と予想される使い方に対し、拡大被害に
到らないように設計上の配慮はしていますが、これにも限界があります。
以下に私が考える、家電品を使う上で最低限守って頂きたい事項をまとめます。
・目的以外の使い方をしない
前述の例の様に家電品の使用目的以外の使い方は、メーカの保証範囲を超えた
ものとなります(もちろん、取り扱い説明書にも明記してあります)大変危険
であり、最悪は使用者やその周囲の方の生命・財産を危険に晒す結果となります。
危険予知に対する感覚は個人差がありますが、目安として「この家電品、こんな
使い方していいのかな?」と疑問に思ったら、まず取り扱い説明書を確認して下さい。
・濡れた手で触らない
身体が水等の液体に濡れると電気が体を通りやすくなり、感電した時の被害が大きく
なります。水周り(台所、脱衣所など)で使用する家電品で特に注意が必要です。
・異音・異臭がしたら使わない
家電品を使っていて、今までに感じた事のない変な音や変な臭いがしたら、すぐに
使用を止め、コンセントからプラグを抜き、製品のサービス部門、または電器店に
相談してください。
・寿命を考える
物を永く大事に使う事は大切なことですが、家電品に関しては寿命がある事を理解して
下さい。というのは家電品に使用している部品の中には寿命を有する部品があるからです。
5〜7年を目安にして下さい。
*製造物責任(Product Liability; PL)法
製造物の欠陥によって人の生命、身体又は財産に被害が生じた場合に、被害者の保護を図るため
製造業者等の損害賠償の責任について定めた法律。
1−2 コストの制約
家電製品の宿命として、販売価格があげられます。
「家電品の販売価格は決して、安いとは思わない!」と言われる方もあるかと思いますが、家電品を
買い換える時に以前購入した製品と今回購入した製品を比較して下さい、コストパフォーマンス(価格
性能比)は確実に向上している筈です。 私自身の経験ですが、結婚した際(10年前になります、大画面
TVが流行りだした頃です)に購入した29インチのBSチューナー内蔵TVの価格は約21万円だったと
記憶していますが、同仕様のTVは現在6万円台で販売されています(しかもキレイなフラット画面!)
10年間で販売価格が約1/3になっている計算です。これは、当該製品が普及して大量生産によるコスト
ダウン効果がでた事、新しい高付加価値製品の投入により仕様的にバリューゾーンの製品になった事が理由
ですが、この価格を実現する為、メーカは設計の見直し、安い材料・部品の調達、人件費の安い外国への
生産ラインの移転等によるコストダウンとの戦いになります。
ひとつ例を挙げますと、メーカで製品の材料代(直接材料費、略して直材費と呼んでいます)を計算する際
には、銭(1円の100分の1)まで用いて計算を行います。現在の日本の通貨の最小単位は円ですが、円単位での
計算では実態の把握はできないのです。